2012年12月7日金曜日

吉村敏治 ギャラリー縄・展覧会


京都精華大学陶芸コース3回生を指導していただいている
吉村先生の大阪・ギャラリー縄での個展に来ました。

ギャラリーオーナーの方のDMでのコメントに、
「日頃、比較的伝統的な焼き物の展覧の多いギャラリー縄
においては吉村敏治さんの作風は、珍しいことと思われる
かもしれませんが、しかし、吉村さんの作品は、いかにも
焼き物です。一見したところユニークな造形に、まず惹き
つけられますが、そこには土を焼くことによって初めて
なる、貌形(かお・かたち)があり、さらに表面の仕上げ
には、むしろ丁寧な工芸的作業が覗えます。」
                  
オーナーが京都での吉村先生の展覧会を見て、今回の
ギャラリー縄での個展が実現できたとおっしゃっていました。
オーナーが自ギャラリーの方向とは異質かもしれないと
思いつつも、展覧会を望むところに、吉村先生の作家として
持つべきフェロモンが強く香っている話だと思います。



漢字一文字、二文字のタイトルから、
作品のフォルムを解読するため、
思考力をパワーアップ。

金属の錆質感や時間を経て腐蝕感ある土肌の作品群。

数億年単位の地層などの自然の加算減算の美学には、
とうてい人為の及ばないものがある。しかし人間は、
経験・インスピレイションの加算減算で、惑星規模
の、破壊も含む人為のディテールを創り出している
かもしれない。                

吉村先生の腐蝕・錆質のこだわりも、日々の焼成
からの経験・インスピレイションの蓄積の痕跡。
その痕跡が導かれる吉村先生の「触感への思い」を、
来週、大学で聞きたくなりました。

自然現象的な腐蝕感ある抽象的形体・器の作品群の中に、
人為であるという象徴的なメッセージのように、
「手」のフォルムのオブジェが。   H.M






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