2014年5月31日土曜日

若杉聖子さんワークショップついに3日目!!!

皆さん、お待たせしました。
ついに若杉聖子さんのワークショップ3日目です。
長かったワークショップレポも今回で最後です。
毎回写真を選ぶの大変でした。
でももうこれで最後です。

それではどうぞ〜

前回は平井が石膏を食べたところで終了でしたが、今回はいよいよ最後の使用型の制作です。
いくら原型が綺麗でも、この使用型を綺麗に作らなければ意味がありません。


早速原型にカリ石鹸を塗る若杉さん。
塗り方は人それぞれらしく、聞く人により本当にバラバラです。
若杉さんは濃いめのカリ石鹸をアワアワにして塗って拭く作業を3回繰り返していました。

カリ石鹸が上手く塗れているか確認するには、霧吹きなどで石膏に少し水をつけてしみ込まなければ 大丈夫だそうです。

制作とは関係ないですが、レクチャーのときに他にも型が見てみたいとリクエストしたら持ってきてくれました。
ありがたや!
これはおまんじゅうみたいにふくふくとした可愛らしい作品の型と原型です。

手のひらサイズで、握ると何だか癒されます。
模様の入ってないものもあるのだそう、このおまんじゅうはけっこう人気があるそうです。

こちらは鋳込みの型ではないですが、たちおこし?の型です。
ロクロでお皿をひいてからこれに被せて形を整えるものだそうです。
他にも色々便利グッズを見せてくれました。

院生は原型と型に夢中です。

型に夢中になっていると、もう次ぎの工程へ進んでいました。
まず原型の底から型を取り始めます。
このように粘土で囲って土手を作ります。

土手が出来たらもう一度カリ石鹸を塗ります。
キッチリキッカリ3回塗ります。
この作業をしすぎて、もはや手癖になっているそうです。 

それがすんだら囲いを付け、囲いと土手の隙間を埋めます。 

若杉さんは石膏を流し込む時すぐに型に入れずに、いつもしばらくバケツをクルクル回しているのですが、これは石膏がいい固さになるのを待っているのだそうです。
混ぜてすぐはまだ石膏もサラサラです、それを少しドロドロになるまで待ってから型に流し込みます。
そうすれば細かい隙間から石膏が流れ出ないですむそうです。

いい固さになったのでびゃ〜っと流し込みます。

固まるまでは恒例の質問タイムです。
最近は初音ミクの「THE END」をよく聞いているそうです。

固まったら囲いを外して、角の面取りをします。
これをすることで、型がかけにくくなるのです。

こんな感じになりました。
この上にまた石膏を流し込むので面の凹凸をカンナで綺麗にしていきます。

土手に使った粘土はまた使うので平井がこね直します。
彼は働き者です。 

原型を外して、きわっきわまで綺麗にします。
この一手間をサボると綺麗な型は出来ません。

ワークショップをしているすぐ後ろで、陶芸コースの妖精的アイドルこと、のぞみちゃんが何やら必死で作業しています。
彼女は最近釉薬の固まりを作ることにはまっているようで、今日も釉薬をためる為の受け皿を作っています。
ワークショップのことなど我関せず、自分の道をひた走っています。
ガンバレのぞみちゃん! 

綺麗になったらまたカリ石鹸を塗り、土手を作ります。

こんな感じです。

そしてまた囲いをして石膏タイムです。

松本先生もやってきました。
手際の良さに感動しているご様子。
色々と質問しています。

「俺も質問したいのに…。」
哀れ平井は質問できず。
作業は次の工程へ。 

固まればまた削りの作業です。
松本先生は若杉さんの仕事にもう釘付け。

シャリシャリ…

シャリシャリ…


あとはこの工程の繰り返しで、回りの型を作っていきます。
ここで剣道二段のチャッピーによる剣道の形をお楽しみください。

せいっ!

やっ!

せいっ!

やっ!



皆さん剣道の形はお楽しみいただけたでしょうか?
それではワークショップへ戻ります。

あっという間に型取りは進み、ギャラリーも増えています。
奥村先生は何やら閃いたご様子です。
 
もう最後の鋳込み口を作るところまで進みました。
薄い泥漿を型と原型の間の隙間を埋める為に塗ります。
余分な泥漿は海綿で拭き取ります。

ここまで約4時間くらいです。
恐ろしい程のスピード。
若杉先生はスピード狂です。

彼女はスイカが嫌いだそうです。
でも耳にはスイカのピアスを付けています。

ここで若杉さんがいきなり杏仁豆腐を食べ始めました。
むしゃむしゃ食べています。
それは何故かと言いますと、この杏仁豆腐のカップが鋳込み口の型を取るのに丁度良いそうです。
なるほどなるほど。

いよいよ最後です。
杏仁豆腐が動かないようにカップの中に石膏を入れて重しの代わりに。

ジャン!
こちらが面取りを終えた型になります。

型の回りを定規を使って綺麗に整えます。

そして杏仁豆腐を取れば完成です!

杏仁豆腐を取れば完せ、

杏仁を取れば、

取れば、

取れ、

とっ、取れないっ!



ここで若杉先生の相棒の登場です。
この木槌とは10年くらい苦楽を共にしているそうです。

ノミで型を外しにかかる若杉さん。
慎重にノミを当てていきます。

なんとか鋳込み口の方は外れましたが、頑固な杏仁豆腐が外れません。
慎重に杏仁豆腐にノミを直接当てます。

はずれた〜〜〜〜〜〜!
杏仁豆腐が外れ、ついに使用型が完成しました!
これが鋳込み口

これが側面

これが底面

そして原型です

計6個の割型の、八角形の香炉の使用型が完成しました!


これで今回の若杉聖子さんの石膏ロクロのワークショップは終了です。
あっという間の3日間でしたが、技術や作家としての考え方など、とても勉強になりました。


若杉さん、3日間のワークショップおつかれさまでした。
そして、ありがとうございました!



以上、若杉聖子さんワークショップレポでした!
それでは皆さんさようなら。


2014年5月30日金曜日

Ceramic Site 2014






Ceramic Site 2014

6/2〜14



ギャラリー白 ギャラリー白3
galleryhaku.com/

大阪市北区西天満4−3−3
星光ビル2F3F
京阪なにわ橋駅1番で口より約5分

11:00〜19:00
土曜日17:00まで
日曜休廊

初日18:00から平井章一氏+作家によるギャラリートークを開催


かのうたかお(1998年精華大学陶芸コース卒業)
堤展子(精華大学陶芸コース講師)
西村充(精華大学陶芸コース元講師)

2014年5月29日木曜日

若杉聖子さんワークショップ2日目!!

若杉さんのワークショップ2日目スタートです。

今日もロクロ場には若杉さんのテクを見るため人がいっぱい、わざわざ学外からバイトが終わってから来られる方々もいます。
一体どこからこのワークショップの情報を聞きつけてこられたのか、これも若杉さんの人気の成せる技なのかもしれませんね。

1日目に大まかな形を出した原型を水で洗いながら、表面の細かい傷を耐水ペーパーを使ってシャコシャコと磨きの作業。
磨いては洗い、流しては擦りの繰り返しで綺麗にしていきます。

それが終われば香炉の足の部分へ。
粘土と違ってやり直しの出来ない石膏の削り作業ですが、丁寧ながらも慣れた手つきでサクサクと足の形を出していきます。

学生やら院生やらからの質問攻めにも、作業をしながら嫌な顔一つせずに答えてくれました。
ちなみに、趣味は演劇を見に行くことだそうです。
  
ジャン!
驚くなかれこの原型、ほぼフリーハンドで削りだされているのです。
もう意味が分かりません、綺麗すぎます。
どうしてこんなに綺麗に形を出せるのかと尋ねると「慣れ」だそうです。
そうです、近道などはありませんでした。
ちなみに若杉さんはこの面取り作業がたまらなく好きなのだそうです。
そうです、好きこそものの上手なれです。

フリーハンドで形を出していることを知り、驚きを隠せないでいる和世さんはもうすぐ神戸のギャラリーで個展がありますので、よろしければこちらもチェックしてみてください。
『中谷和世展』
=きりとった白のかたち=


いよいよ若杉さんの代名詞とも言える模様の削りだしの作業です。
もちろんこの模様の当たりもフリーハンドです。

形を見ながら慎重かつ手早く掘っていきます。

 「私の制作はスピードが命です。」
とレクチャーで言っていた通り、若杉さんは作業をしている間ほぼ一度も手を休めること無く、淡々と無駄の無い動きであっという間に模様が出てきました。

ここまできたらもう少しです。
若杉さんがちょこっと休憩している間に原型を触る田中。
それを見て笑う若杉さん。
つなぎ姿の黄君は何故か陳さんの手を見つめています。

後は仕上げの作業だけです。
丁寧に耐水ペーパーで磨きながら模様のエッジを出していきます。


仕上がったものがこちらです。
香炉の原型の完成!
水に濡れてしっとりとした表情の原型はどこかセクシーに見えます。 

あとは香炉の蓋の部分です。
と思いきや何やら考え込む若杉さん。
考えている顔もきれいです。

 どうやら今回の原型は割り型がいつもより難しいらしく、残りの時間と日数では蓋の型取りまでは出来ないことが判明。
それでも本体の部分は出来ているので、今回は無茶をせず本体の型取りまでをすることになりました。

原型が出来上がったところで2日目は終了。

蓋を見れなくなったというショックから何とも言えない表情をカメラに向ける平井。
石膏でもかじったのでしょうか?
唇がうっすらとしろくなっていますね。

次回は3日目、最後の型取りの作業です。
お楽しみに!